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夜を泳ぐ
僕の足下から凍えて伸びる
この夜の向こうに君はいるか
星達を見失った空と
温もりを棄てた大地の狭間に
鉄錆の匂いをさせて絶望が黒々と吹きだまる
この混濁した世界の果てに君はいるのか
君を呼ぶ
掠れた風ばかりが喉を通り過ぎる
また君を呼ぶ
尖った砂粒がザラザラと唇から零れて
僕は僕の声にうずまってゆく
乾きに皹入った目を瞠れ
音を忘れた耳を澄ませ
ただ続く暗黒の遠い彼方
君はいる
そこに君はいる
光よ
ささやかな瞬きも見えない真暗闇
軋む腕を振り
震える足を踏み出す
光を求めて
君を目指して
夜を 泳ぐ