忍者ブログ
右上にあるアイコンで、ブログのレイアウトや文字の大きさが変えられます。お好みでどうぞ♪
[205] [204] [203] [202] [201] [200] [199] [198] [197] [196] [195]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Q太郎でございます。

O次郎「ジョミブルはじめました」

この一言のお陰様で現在に至っております。
なんでこんな事をイキナリ書き始めたかと申しますと、携帯の送信トレイを見たら、去年の今頃にO次郎に宛てたジョミブル~なブツが残ってて。
ジョミ初チュウネタとか、ブルのオンブ紐ネタとか。どれもこれもが書き掛け半端なんだけど。
んで、古いネタ帳見始めたら、うははは、書いてる書いてる。
妄想書き殴り。

激しく痛恥ずかしいのだケド………載せてみました。
ジョミ太、初ちっすに向けてガンバルの巻。

半端なブツですが、もし宜しければ右下からど~ぞ~。



★拍手アリガトゴザイマス。とってもとっても嬉しいです。
 励まされます~~。
 深謝であります。




        ☆★       ☆★       ☆★       ☆★        ☆★




 何事もなく過ぎていくような静かな夜。
 たったひとり、ライブラリーにいたブルーの元へ、突然、大きな光の球体が飛び込んで来た。
 一番奥の隅にある、一番大きな机がブルーの指定席。
 驚いて顔を上げたブルーを、光は金色の粉を振り撒きながら一直線に目指し、彼の目の前で勢いよく天井近くまで高く上がると、
 パンッ!
仰いだブルーの頭のうえで軽い音をたてて破裂した。
 光が、まるで熱いシャワーのように降り注ぐ。
 ブルーの髪に、肩に、額に頬に、光の粒がぶつかって、弾けて、零れて、また全てがブルーに集まって彼を黄金色に染め変えていく。

(ジョミーだ…。ジョミーの心だ……。ジョミーの全てが、今僕に向いている……!)

 ブルーは、降る光のあまりの眩しさにクラクラと目眩を覚えた。同時に、激しく驚喜し高鳴る胸を、震える身体を、両手で押さえるように抱きしめると耐え切れず身体を前に折る。
 彼の長く細い指が、自分の肩を強く掴んでいる。

(こんな苦しさを僕は知らない……)

 遠い日の、もう逝ってしまった人の言葉が耳元に鮮やかに蘇る。

(君の唇は、この先きっと現れる大切な人の為のものだよ…。だから、その日まで誰にも触れさせてはいけないよ。王子様のキスを待っておいで…。)


 子供騙しだね、と笑いながら心に刻んだ言葉。
 三世紀という長すぎる時間に、埋もれて忘れてしまいそうになりながら、それでも、いつかきっと、と諦めてきれずに胸に持ち続けていた想い。

(ほら今、ジョミーがここにやって来る……)





「ねぇ、ブルー、キスしていい?」

 夜遅く、シャングリラの艦内のライブラリーで調べ物をしていたソルジャー・ブルーに、ジョミーは何の前置きもせずに、こう聞いた。
 ジョミーの顔は真剣そのもの。毎日受けている講義の時も、サイオントレーニングの時も、こんな顔をした事がない。
 声が震えない様に、出来るだけ平然と、少しでもスマートに、ブルーへの想いが子供っぽくならない様に、考えに考え抜いた末の、ストレートな問い掛け。
 少し方向を間違えてはいるものの、しかし、彼の人生の最大の記念日に成り得るかも知れない、ジョミーの一大決心の告白に対しての、ブルーからの答えは実に淡白なものだった。

「いいよ、どうぞ」

 ライブラリーの奥にある一番大きな机を使い、左手をこめかみに当て支えにしながら、とても古く厚い書物を読んでいたブルーは、パタリと本を閉じると正面に立つジョミーに微笑んだ。

(…ソルジャーの顔をしてる……)

 ジョミーは自分の体温が急激に下がっていくのを感じた。
 口から魂が出て行きそうだ…。
 あまりに当たり前という口調。
「どうしたんだい、急に?」とか、「何を言っているんだい、君は?」とか、もっと困ったり驚いたり、もしかしたら怒るかもしれないとか、あらゆるパターンを想定して来たつもりなのに何一つ、かすりもしなかった。
 残酷なまでにあっさりとしたブルーの反応は、山程に用意してきた切り返しの言葉を見事なまでに吹き飛ばす。
 ジョミーは続ける言葉を見失い、突っ立った棒の様に動けなくなった。

「ジョミー?」

 いいよ、と返事をしたのに、その後すっかり固まって動かなくなったジョミーに、ブルーは小首を傾げて問い掛ける。
 けれどブルーは微笑む表情を崩さない。決して他者に心の内を読ませない、感情を気取らせない、完璧なまでのミュウの長の顔。

「ブルーってさ、こういう事、別に何ともないの?当たり前?」

 ジョミーは自分の声が少し上擦っているのを自覚した。馬鹿な事を聞いてるとも思う。

「当たり前って…うーん…そうなのかな……長老達…昔はリーダーって呼んでたんだけど、彼らはいつもキスしてくれたよ」

 そう言って、ブルーは自分の記憶をジョミーに見せる。
 ブルーの心は静かな水面のように何の揺らぎもない。

(何も感じていない……)

 ジョミーは、ブルーの思念を受け取りながら、自分の告白など、彼にとっては日常の挨拶程度の価値位でしかないのだと思い知る。

 ハーレイはブルーの額によくキスしているようだ。古代史の教科書に載っていた鬼瓦みたいな顔が、なんて優しく笑うんだろう。
 ブラウ航海長は、ブルーの頭を撫でながら両頬に、キスを繰り返す。
 エマ女史はブルーの両手を自分の手で包み、祈りを捧げる様にして彼の指先にキスしていた。
 ヒルマン教授は遠慮がちにそっと抱き締めた後で恭しくブルーの手を取り、その甲に唇をのせる。
 ゼル機関長には、つるつるの頭頂部へブルーからのキス。

(…ブルー…笑っているの…?)

 記憶の中の彼は、何て顔をして笑うんだろう。ソルジャーの微笑みではない、自然に零れる笑み。

 古い記憶も流れ込んでくる。ジョミーの知らない顔がたくさんいる。
 リーダーと呼ばれていた頃のミュウの初代達だろう。今はいない彼等は、ブルーを抱きしめては愛おしい気にキスをしている。

 なぜ、こんな記憶を見せられなければならないのだろう、ジョミーには理解が出来なかった。
 出来ないながらも、腹だけは立ってくる。 何だって、こんなに気安くベタベタとブルーに触っているのだろう。
 ブルーもブルーだ。抱きしめられて、キスされて、何で笑って許しているんだよ。
 知らない顔の、赤く長い巻毛の男はブルーの腰に手まで回して、彼の瞼にキスをしている。幼い顔をしたブルーの蕩けそうな顔がジョミーの神経を逆撫でする。

(ブルーは全然わかってないや…。僕がどんな想いでここに来たかなんて……。)

 無神経にこんなものを見せ付けるブルーと、無遠慮にブルーを抱きしめるリーダー達。 どちらにも腹を立てながら、ジョミーは今まで見せられた記憶の中に、自分の望むカタチがない事に気が付いた。

「ブルー、唇のキスってないよね」

 途端に、ブルーの記憶庫が分厚い隔壁で何重にも閉ざされてしまった。頭の中が真っ暗になる。
 いきなり鼻先で扉を閉められ、当然ジョミーは面食らったが、ブルーらしからぬその行為に、自分には知られたくない重大な秘密があるのだと確信し、尚の事腹が立つ。

 ブルーはといえば先程から姿勢も表情も変えずに、じっとジョミーを見つめている。

「ブルーってさ、唇のキスってした事ないよね」

『ない』の部分を殊更強調して、ジョミーはもう一度同じ質問をする。知らず人差し指を自分の唇に当てていた。

 不愉快な表情を隠そうともしないジョミーに、ブルーは嬉しそうに目を細めた。

(…怒ってるの?…ジョミー?……)

 微笑みを模っていた口許が、愉しそうにキュウッと上がる。
 ジョミーの仕草を真似て、ブルーは悪戯な笑みで答えた。

「…ひぃーみぃーつぅ…」




 ブルーの仕草に、初めて見る彼の表情に、ジョミーはカァッと身体が熱くなるのを感じながら、きっと今の自分は、呆れる程に酷い顔をしてるだろうと思った。

(僕をからかって、遊んでいるの…?)

 目の前に座って笑っているブルー。綺麗な綺麗な、ミュウの指導者。
 手を伸ばせば直ぐに触れる事が出来る筈なのに、ほんの数歩分しかない彼への距離が、とても遠い。
 この気持ちは届く事はないのかもしれない。
 ジョミーの心が少しずつ沈んでいく。

 特別だって思っていた。ブルーの側で、彼に触れる事を許されるのは、自分だけだと思っていた。
 ブルーはいつも独りだったから…、どこにいても誰といても、彼は独り。

 シャングリラに来て直ぐ、ジョミーは気付いた事がある。
 ごく一部の者を除き、長老以外のミュウ達は、ブルーを仲間だと思ってはいなかった。
 ミュウという存在すらも凌駕した、異質で遥か遠い次元の人。
 話かけるどころか、近づく事すら出来ない。
 ブルーが艦内を歩く時、皆が道を空け、壁際に固まって、彼の姿が見えなくなるまで畏敬の念を込めた礼をとりながら、息を殺して見送る。
 そんな若いミュウ達に、表情を変える事なく足速に通り過ぎるブルー。
 固く結ばれていると思っていたミュウの世界の、実は歪んだ一面をジョミーは見た気がした。
 ソルジャー・ブルーを絶対の守護者として、彼の能力を庇護を求めるだけ求めておきながら、自分達の日常の生活の枠からは徹底して排する。
 ブルーはいつも与えるだけ、誰からも何も受け取る事は出来ない。
 ソルジャーという名の孤独の檻…。

 ジョミーはずっとそう思ってきた。今日の今日、今の今まで。

(なんて勝手な思い込み…)

 記憶の中のブルーは笑っていたじゃないか。
 他のミュウはどうであれ、長老達、過去のリーダー達は皆ブルーを愛して、彼に触れて抱きしめて、ブルーもそれを受け取っていた。
 ブルーが心を預け、唇を重ねたであろう相手はブルーの記憶の中できっと大切に眠っている。

 それは、あの腰までもある赤い長い巻毛の人だろうか……。

 ブルーに見出だされ認められて、彼と同じソルジャーていう名を冠する自分だけが、ブルーの心に寄り添えるのだと一人勝手に盛り上がってた。

(自惚れてた……)

 特別だと思い込み、枕相手に練習までして、これまでに絶対に無い程の覚悟を決めて、此処にやって来たというのに、何て間抜けなんだろう…。
 ジョミーは目の回りが熱くなってくるのを感じた。

(ブルーは大人で、僕は馬鹿で幼稚な子供だ)

 俯いて、自分のつま先を見ていたジョミーの視界が滲んでくる。 きっとブルーは自分の思い上がりに気が付いて呆れているに違いない。
 恥ずかしくて、情けなくて、走って逃げてしまいたいのに、足が床に吸い付いたようにそれも出来ない。
 泣き出したいのを堪えていると、鼻の奥がズーンと詰まってくる。こめかみもズキズキ痛みだして目を開いていられない。
 こんな顔だけはブルーに見られたくなかったのに、ジョミーは堪え切れずに目をギュッと閉じた。
 零れた涙の雫は二つ…。

 可哀相な程にうなだれるジョミーの唇に、柔らかなものがそっと触れた。
 驚いて顔を上げると、さっきから何も変わらずに、ブルーは静かに座ってジョミーを見つめている。

(これは、ブルーの思念のキスだ。)

 ジョミーが、今触れていったものを確かめるように指で唇をなぞると、ブルーも同じようにジョミーの仕草を真似る。何て柔らかな微笑み。

「おばかさんだね、ジョミー。」

 ブルーは立ち上がると、今度は机に腰を掛けて、スラリと長い脚を組んだ。
 そして、おいでと手招きをする。

(分からないかい?ジョミー…。僕の心がこんなにも君で溢れている事を……。)





うへぁぁぁぁ!
改めて読み返すと……身体から滲み出る嫌な脂で石鹸が作れそうだす。
一体どんな病気に罹れば「王子様のキス」だなんて台詞を書けるのやら。
で、チッスに辿り着く前に書き掛けのまま一年漬けておいてます。
ああジョミ太、生殺し修行中。



PR
コメント
 
生殺し~♪
生殺しっていうタイトルの後に「♪」をつけじゃ駄目じゃんとか思いつつ、つけてしまう鬼、ここに有り(笑)
ジョミ君可愛い~♪ たまらんよ。
ブルーと一緒に思いっきりからかいたいv
あ、ブルーはからかってないね(汗)
まだまだ修行は続くのかな~?
ジョミ君に頑張って欲しいので、目一杯応援させて頂きま~す!
【2008/07/01 09:30】 NAME [葵アルト] WEBLINK [] EDIT []
 
おおお鬼じゃぁ~~~♪(アレ?)
コメントありがとうございますぅ♪
なにしろジョミ太は自分の気持ちで一杯一杯だし、ブルってば乙女全開フワフワ状態だし、やれやれ……ジョミ太生殺し♪修行は一体いつになったら終わりになるのでしょう。
いつもいつも応援有難うございますぅ!
このところ、すっかりダレダレ~~なので、今度たるんだ身体がシャッキリと覚めるようなケツキックをお願いしますっ!隊長!
【2008/07/01 23:36】 NAME [Q] WEBLINK [] EDIT []
 
無題
お早うございます。
朝から素敵な物を読ませていただきました。
可愛いなあ。素敵素敵。

ジョミ太、生殺し修行続きを、是非。
【2008/07/02 06:55】 NAME [リンドウノ] WEBLINK [] EDIT []
 
ひょへっ♪
朝早くから砂吐き~なブツで…ダイジョブでしたか?爽やか~んな朝が、胸焼け全開でバケツ抱きしめませんでしたか??(ドキドキ)
ヘッポコなジョミ太郎をカワイイと仰って下さってアリガトございます。
どうにかしてジョミ太のケツを蹴り上げて(いや、アタシの鈍重なケツかっ?)、永きに渡る生殺し漬物修行の成果をオットコ前に見せつけて欲しいものと思っております(ヒト事ではないから:冷汗)
うへへ♪頑張りますです。
コメありがとうございましたっ。嬉しいです~~♪
【2008/07/02 23:17】 NAME [Q] WEBLINK [] EDIT []
 
生殺し(はぁと)
*☆*葵アルトさま*☆*
隊長、こんにちはでーっす☆
ジョミ太に応援ありがとうございます。生殺し♪修業はまだまだ続きますよ~v。
あ、そういえばですね。こないだ雑誌で『ジョミアイス』っていうの見ましたよ。紹介記事は「バニラアイスの上に液状のジョミがトッピングされた色鮮やかなアイス。フタを開けると甘酸っぱい良い香り。ジョミの程好い酸味とバニラが合う!」。た、たたた食べた~い (*゚∀゚*)。

*☆*リンドウノさま*☆*
わ~い、いらっしゃいませ~♪。
うふふ、お褒めのお言葉ありがとうございます(はぁと)。
こういう砂糖菓子のようなお話はQちゃんの専売特許でございましゅ。なんか、めんこいですよね。実はコレ、去年の今ごろにはもう出来てたネタで、読みきりSSとしては初めてサイトにアップする予定のモノだったと思うんですが、お蔵入りしてしまってました。日の目を見て良かった~。・゚・(ノД`)。
【2008/07/03 22:47】 NAME [O次郎] WEBLINK [] EDIT []
コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
(C) [ http://led.blog.shinobi.jp/ ] 忍者ブログ [PR]