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Q太郎でございますぅ~~~。
七夕ネタであります。
超人で……。
ハン/ト先生とロッ/クで。
イメージぶち壊しの自信だけはたっぷり有りますので、ダイジョブな方だけって事で。
右下の入り口からド~ゾ~。
初めまして~~の方も、いつも様子を見に来て下さる方も、ホント有難うございますっ!
書き掛け、放ったらかしのブツばかりがごろごろと転がっておりますが、ちょびっとずつ片付けていきますので、これからも遊びに来てやって下さいませです。
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嬉しいです♪
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「一年に一度の切ない逢瀬だってぇのに、地上(した)から寄って集って見上げるってなぁ、考えてみりゃ相当な出歯亀だよなぁ」
用意したビールを殆ど一人で空けて機嫌良く酔っている先生が、星空を見上げてケケケと笑った。
昼近くに依頼人と会うからと出掛けた彼が帰って来たのは8時を大分回ってからで、「ただいま」も言わずにビールの大缶6本パックを僕に見せながら「星を見よう」と言い出した。
アパートメントの前のダラダラと続く上り坂を歩けば10分程で小さな公園があり、そこのベンチに僕達は並んで座る。
空けたビールの缶はベンチの下に転がり、酒のツマミにとタッパーに入れて持って来た夕食ももう殆どなくなっている。
最後の一本に手をつけた彼は、ぐいぐいと勢い良くビールを呷っては「出歯亀ちゃんでスミマセ~~ン」と空に向かって何故か敬礼なんかをしたりして、その度にまた一人で笑っている。
何があったのやら……。
いつもハイテンションぶりとは微妙な違いを見せる先生を横目に、僕は飲み散らかした空き缶を片付け、タッパーを仕舞い、まだ残っている少し温くなったビールを一口飲んだ。
……と。
いきなり隣りの酔っ払いが僕の膝を枕代わりにゴロリと横になる。
「ああ、もうこんな所で寝ないで……」
言い掛けて、僕は言葉を呑み込んだ。
アルコールで潤んだ目が僕を見つめている。思いもかけない強い視線に、心臓がドキリと大きく鳴った。
「いつまでも、この身体がこのままでありますように……」
真面目な顔で呟いた低い声が僕を通り抜けて星空に向かう。
黙って見返す僕に、彼はそれ以上何も言わずに目を閉じた。
唇がもぞもぞ小さく動く。どうやら同じ言葉を繰り返しているらしい。
「……までも、………このまま……で………ように……」
ああ、そうか。
全くこの人は……。
星に願いをなんて、ホント相変らず顔に似合わず乙女な事を…。
思いながら目を閉じた先生を覗き込めば、一瞬前の真面目な顔はどこへやら気持ち良くイビキをかき始めている。
さっき先生が暑いと言って脱いだシャツが下に落ちていて、僕は随分と不自然な態勢で身体を伸ばしてそれを拾うとタンクトップ一枚でグースカ眠る彼に掛けてやる。
やれやれ、なんだか年期の入った夫婦みたいだ。
うっかりそんな事を思ってしまう自分に小さく吹き出して、だらしなく口を半開きにして、涎まで垂らしそうな間抜け顔を晒す浪漫チストの鼻を摘んでやる。
先生は、フガガ…プガッッと金魚のように口をパクパクさせて苦悶の表情を浮かべながらも、それでも起きる様子は見せず、僕は暫くここで一人星空と彼の寝顔を楽しもうと、すっかり掌の温度になってしまったビールを咽喉の奥に流し込んだ。
「リュウ…」
彼を名前で呼べば、口の中一杯に広がっていた温い苦さが甘く変わる。
お前を独りにしないように、幾度呪ったか知れない不老不死の身体が、いつまでもこのままで在り続けますように……。
「リュウ……」
膝の重みと胸の内に生まれる痺れにも似た愛しさに軽く酔う。
僕はこの酔いがずっと醒めないようにと、濃藍の空に美しく流れる無数の星々の光の川を見上げながら、そっと願いを捧げずにはいられなかった。

