Q太郎でございます。
例えば、拙作「還る場所」でブルの目が覚めて、そんなこんなで一応落ち着いたとしたら、もう人類軍の皆さんてばブルに今まで誰にも打ち明けられなかっただろう胸の内を聞いてもらいに来るんじゃないかな…?
という妄想。
相変わらず自分だけが分かるってな内容な上、しかも何のまとまりもないので、もうゴメンナサイです。
鬱暗いので念のため畳んでおきます。
赦しの方舟
この船には
己が身に惧れと懺悔の爪を立てながら救いを求める
弱き人達の声なき告白が
まるで干乾びて道端に張り付いた動物の屍骸のように
無造作に打ち捨てられ積み重なっている
どうか赦して下さいと 彼は小さく僕に呟いた
私は何も知らぬままに 同僚を殺したのです
朝 隣りの席で食事をしながら 他愛ない話に笑いあった男を
夕べには 裏切り者と追い詰めて 引き鉄を引いたのです
「助けてくれ」と掠れた悲鳴を 耳障りなノイズの中に聞きました
彼の裏切りとは何だったのか
果たして彼は本当に裏切り者だったのか
私は何一つの真実も知らぬまま
ただ彼を殺しました
どうか赦して下さいと 彼女は僕の動かない手を握りしめて涙を落とした
私は何も知らぬままに 同級生を殺したのです
草花の声が 風の囁きが聞こえる
鳥たちと歌うことができる
そう言って はにかみながら嬉しそうに笑う彼女を
私はとても好きでした
大好きな友達の事をママに話した次の日から
彼女は学校には来ませんでした
ママも先生も誰も彼女の事を言わなくなりました
幼い私のお喋りが 彼女をきっと殺したのです
どうか赦して下さいと 今日も僕の前に告解者達が長く列をつくる
その不安に怯える顔の中に 僕は俯き震える僕を見る
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