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Q太郎でございます。

先日書いた馬鹿妄想の続きです。
いやもうナニが何だかで、意味のないものであります。
もちょっとどうにかしようと思ったのですが無理でした。

え~と……ゴメンナサイです。




 街の雑踏の中、車を降りて歩くKとM。
 途中で(何故か)寄った高級輸入食材専門店で買った大量の品物の入った大きな紙袋を、Kは両肩に一つずつ担ぎMは一つを両手で抱えて歩く。袋の大きさに前がよく見えずにあっちでぶつかり、こっちで躓きしながら必死にKの後を追うM。
 大通りに面したビルとビルの間の小路を入り、更に迷路のように入り組んだ狭い路地を右に左にと折れどこまで行くのか暫く歩き続けると、終いには行き止まりの袋小路になってしまった。

 道を間違えたのかな…。

 Kらしくない失敗だと思い、けれど立ち塞がる壁だと見えていたのが実は建物で、Kの睨むように見つめているのが保護色のように壁と同化している大きな扉である事に直ぐに気付いた。
 個人の住宅なのか店なのか、それとも何かの事務所なのか。
 良く良く見ればこれもまた目立たないように扉の中央に小さなプレートが付いていた。

 『MU:CAT』

「ミュウ…キャット…?」

 煤けたような黒茶の古い木製の扉にはぴったりと寄り添う二匹の猫の浮き彫りが施されていた。長い尻尾が仲の良さを見せ付けるように絡み合う。塗装はされていないながらも、こちらを見る二匹の視線はまるで挑発しているように艶めいて見える。

 なんかちょっと官能的だ……。

「全く相変らず恥ずかしい入口だ…。M、ここが連中の住処だ」

 確かKは情報屋に会うと言っていたけれど、連中と言うからには情報屋とは一人ではないらしい。
 オフィスを出る時のKの態度と今の口調とに余程ここには来たくなかったのだろう。
 一体この扉の向こうには何者がいるというのだろう。
 ゴクリと唾を飲み込んでKの後から中に入る。

 カララン…

 意外な事にドアベルの優しい響きが二人を迎える。
 中は少し暗い。しっとりと湿ったような空気が肌に優しく心地良かった。正面には小さなカウンターがあり、そこで年若い青年が穏やかな笑顔で会釈してくれた。

 あ…バーなんだ…。

 つられてMも会釈を返しながら少しほっとする。どうやらここは知る人だけが訪れる隠れ家的な場所なのだろうと思う。
 無言のままに歩いていくKの方に視線を移せば、しかし途端にMの顔がギョッと強張った。
 更に暗い店の奥から沢山の光る目がこちらを凝視している。

「ひえぇっ…! ねっ…猫っ…猫の集会所っ!?」

「素っ頓狂な声を上げるな馬鹿者」

 ピシリと厳しいKの声に、思わず出てしまった裏返った悲鳴を掴んで戻して飲み込むように慌てて手で口元を押さえれば、その様子にクスクスと笑い声が漏れた。

 何度目かの瞬きで目が薄暗さに慣れれば、そこに猫などは一匹もいなかった。ただ常連らしい十人程の客が奥のテーブルから自分達を見つめていただけだった。

「やぁ随分とご無沙汰だったね、K。君がここに来るなんてどんな凶事の前触れなんだろう?」

 少年のようなハスキーボイスと相反してひどく大人びた物言い。揶揄いを含んだ声色に、Mはその姿を確認しようとKの後ろから恐る恐る窺い見る。
 銀色の髪、白い肌、そして赤い瞳の青年が、ソファにゆったりと座りKを見上げている。

 その声には答えず、Kはソファの前に置かれた大きな楕円のテーブルに持っていた紙袋をドンと置いた。

「甚だ不本意ではあるが、貴様に頼みたい事がある」





 紙袋の中身はね、やっぱり鰹節でしょう。削ってあるのと、そのまんまのと。
 あとはニャンコの好きなものが沢山詰っているのです。
 なかなか手に入りにくい超高級マタタビ(どんなのだろう)とかね。

 マタタビ見た途端にブルーに耳と尻尾が出現。おったまげるマツカちゃんにキースが言う。

「ここ辺りのエリアにいる猫のほとんどがコイツ等の仲間だ」

 フニャニャ~~ンとマタタビに手を出そうとしたブルーを、ジョミが止めたりして。

「駄目ですよ。貴方前にコレで興奮し過ぎて大変だったでしょう?」
「いいじゃないか、ね、ちょっとだけ。少しコネコネするだけだから」
「だ~め。年を考えてください」
「なんだいケチ」
「僕にコネコネしてれば良いでしょう?僕のマタタビ棒、貴方とても好きでしょう?」

 うわ、下っっ品!

 キースとマツカちゃんと他の皆さんを置き去りにしてイチャイチャと痴話ゲンカ始めたりして、キースの血管破裂寸前。
 他のミュウの皆さんも勝手に袋の中を物色して、あーでもないこーでもないと言い出したり、食べ始めたり、遊んだり……。

 貴様ら!人の話を聞かんかっ!ってキースは怒鳴るんだけど、無理ですよ…だって彼等は猫なんでしょう?ってマツカちゃんに諭されたりしてさ。
 気ままなミュウニャンコ達は話を聞く状態ではなくなって、そんな彼等に怒り心頭なキース。

「だからここには来たくないんだ」

 そんな気の毒な彼にカウンターのリオが思念を音声に変える装置を使って話し掛ける。

「もうじき飽きて落ち付きますから。それまでコーヒーでも如何ですか?」


 リオとマツカちゃんて気が合いそう。そのうち特に用事がなくても遊びに来たりとか。
 リオが外出中にマツカちゃんがコーヒーをいれてあげたりするのね。

「ねぇMI/Bなんか辞めてここで働かない?なんかね、君と僕達ってとても近い気がするんだよ」

 とか言われたりして。


 ああ、オチも何もない妄想でスミマセン。ワンコなエイリアンが出てきたから、ニャンコなエイリアンも~って思っただけだったのです。


 なんかもう、いろいろと勘弁して下さいです。


 

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