Q太郎でございます。
ブルーに「悔しい」と言わせてみたりして。
それは、例えば自分の力が及ばなくて、救いを求める仲間を助けられなかったとか、そんなんじゃなくて。
妬ましさに限りなく近い「悔しい」。
そんなブルーを妄想中。
鬱々~~とした内容ですが、もし宜しければ右下からどうぞです。
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ブルーの額に頬に、そして少し躊躇いながら唇に…と、おやすみのキスをしてジョミーは自室に戻ってゆく。
彼の残していった金色のオーラが小さな粒となってブルーのベッドの周りでキラキラと光を弾く。
「ああ、なんて綺麗なんだろうね、君は」
自分の髪に肩に上掛けの上にと零れる光の欠片達を、ブルーはサイオンを使って左の掌の上に集めるとギュッとその手に力を入れて握る。
握り締めるのではなく、手の中で握り潰すように。ブルーに何の表情もない。
関節が軋む程に強く握った拳を開くと、それはもう跡形もなく消えてしまっていた。
純粋にひたすらに彼を愛してきた筈なのに、今もそれは変わりはないと誰に問われても答える事は出来るのに、ジョミーをシャングリラに迎え、彼の曇りのない瞳の輝きを目の当たりにする度に、その瞳の中に映る自分の姿を見る度に、胸を掠めてゆく黒い影。
「君は綺麗だね、ジョミー」
ブルーの唇が歪むように嗤う。
人の肉を切り、骨を砕いたこの手は今も血脂に滑り、頭も手足も吹き飛ばされた、ひしゃげた肉塊と化した屍の山を躊躇なく踏んで歩いた足は、もはや立ち上がる事すら覚束ないでいる。
半分死にかけた自由のきかない身体からは既に腐臭すら漂うようだ。
殺戮者たる僕の背中には、殺された者の恐怖の悲鳴と絶望とが人を模った影としてベッタリと張り付き、怒りと怨みと嘆きに泡立つ底なしの沼に隙あらば僕を引きずり込もうと、黄色い膿に濁った目をギョロギョロと動かしては後ろから絶えず様子を窺っている。
「君には見えないだろう」
君の纏う光は眩し過ぎて、だから君には僕の姿など見えてはいないのだ。
君が僕と思っているのは、それは乱反射した光が創り出した幻だ。
そう、鏡となった光に映る君自身を僕と思い込んでいるだけに過ぎない。
それを君は美しいと言う。
愛していると言う。
貴方の為に生きるとさえ言う。
滑稽じゃぁないか。
君は君自身を美しいと褒め称え、愛を告白し、そうして生命を捧げると誓っているのだ。
君に僕が見える筈もない。
君は健やかに育ち過ぎた。
憎しみに駆られる事を知らず、生まれて来た事を呪う事もなく、愛だけに育てられてきた君の透きとおった瞳が、どうして僕を映す事などできようか。
「悔しいね…ジョミー」
ブルーの嗤う口元が更に歪む。
左手でそっと顔を覆う。
掌を頬にあてて、握り潰したジョミーの光の欠片を指先にまで探しても、もうそれは見つからない。
愛している…と胸の内で呟けば、憎いのだろうと誰かが耳元で囁く。
「愛」という安い想いなどではない。
「憎しみ」という安い想いなどではない。
「君と同じに生きたかったよ……」
もう……
涙も…出ない――
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