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「無題」
君よ
時の向こうに生まれる君よ
我らの願いを聞いておくれ
昏い昏い闇の深間に閉じ込められた
冷たく凍えて立ち尽くす
震える小さな彼を救っておくれ
我らの声は弱く小さく
彼の心へは届かない
我らの腕は細く頼りなく
どれ程に抱きしめても
彼にささやかな温もりすら
与えてやることができないのだ
だから君よ
輝ける黄金の衣を纏い
烈しき時代(とき)の渦の中に産声を上げる
大いなる運命の子よ
遥か遠くから君へと祈る
我らの願いに応え給え
彼に温もりを
彼に救いを
彼に愛を
我ら全てが心の限りに慈しむ
この小さな蒼い光を護り給え
ああ君よ
時の向こうに生まれる
決して会う事の叶わぬ光の御子よ
我らの祈りの化身よ……