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先ずは8月30日に拍手して下さった女神さまに感謝を。
どどど、どちらの女神様かしら。なんか「アレ~?」なブツばっかりなのに有難うございます。有難うございます。
ホントとっても嬉しいです。
いつもいつも覗きに来て下さる女神様方にも特大のラヴを♪
アタシ皆様の足跡に跪いてチュウしちゃいますですっ。
え?ベトベトして気持ち悪い?ん~と、じゃ、風呂場でよく洗って下さいです(ヘコリ)。
さて、昨年の春に季節部屋っつうのをO次郎ちゃんが作ってくれて、んでそこに収納してある「花と想ふ君に」ってぇSSがありまして。(1)~(3)まで書いてね、(3)をUPした時に「あと一回続きま~す」なんて言ってそれきりになってたのす。
まぁ話としては別に(3)で終わっちゃってもいいと思ったりしたのも「それっきり~」の理由だったりするんですけどね、ほら↓の日記にも書いた地球妄想帳をベラベラベラ~~っと捲っていたら、続きメモってるのを見つけてしまったのね。
「あ~そうそう書く気ではいたのよねぇ」なんて思いつつ、どうしようかなぁ…って思ってたトコロに素敵な御本を読んじゃって、したらば途端に書きたい気がムクムクと。
相変わらず薄暗テイストであります。宜しければ読んでやって下さいです。
あとそれからね。
前半部分だけの方が話としてのまとまりも終わり方も良いだろうと丸っと思うんだけど、でもね、また妄想帳にペロペロと後半部も書いてあって、「ええいっ書いてあるんなら載せちまえぃっっ」ってな、半ばヤケクソで後半部を付け足してあります。
後半部にはオリキャラ(名前も出ませんけど)がペロっと登場しますので、苦手な方は前半部のみご覧下さいませです。
どうにもサッパリしない終わり方になっちゃってるんで、やっぱり前半部だけの方が良いかしら……なんて今も思ってるんだけど。ううう。
「花と想ふ君に (4)」
「結局、貴方の願いも僕の願いも叶うことはなかったのだけれども……」
薄暗い公園に一人ジョミーは立つ。
昼の時間から夜の時間へとシフトする際に照明の仕様も変わり、今真夜中の時間帯では公園部の灯りは足元を照らす程度までに落とされていた。
花の季節などとうに終わった桜の木をジョミーは見上げている。
日一日と葉色を濃くする枝の下方に手を伸ばして、その緑の一枚にそっと触れた。
「ブルー…」
小さく名を呼んでみる。
ジョミーの耳はブルーの遺した補聴器が覆い、目を閉じその人の姿を思い描けは、まるでそこに彼の両の手が優しく在るように錯覚してしまいそうだ。
この木が満開の花弁を散らし始めたあの日、互いに誓い合った。
彼は言ったのだ。
―― 生きるよ 君の側で ――
そしてジョミーもベンチに座る彼の前に跪いて泣いて誓った。
―― 貴方に地球を見せるから ――
未だ地球は遥かの先にあり、けれどブルーはもういない。
「貴方はきっと分かっていたのでしょうね」
ジョミーは静かな息と共にでそっと言葉を吐き出した。
長い長い眠りの中で、そっとそっと儚い呼吸を繰り返し、それでも共に在ろうとしてくれたブルーの何もかもが、今はもうない。
混乱の中での彼の突然の目覚めに驚き喜び戸惑い、それらに幼く振り回された一瞬の間に、彼を永遠に見失ってしまった。
「きっと貴方は何もかも分かっていたのでしょうね」
まるで死と紙一重の場所に身を横たえ、息を殺して「その時」が来るのを懸命に引き伸ばし、どれ程に遠ざけようと足掻いてみたとしても、結局は逃れられないのだという事に。
泣いて「逝くな」と縋るジョミーの願いに応えられないだろう事に。
「僕達は今、真実地球を目指しているのですよ」
ブルーが今ここにいるかのようにジョミーは厳かに告げる。
アルテメシアを陥落させ、ようやくミュウは地球への道筋を手に入れた。
同時に人類軍からの攻撃はまた更に苛烈になり、大型軍用艦が大挙してシャングリラの行く手を阻む。
しかし、行くべき先をただ一点に見定めた白鯨はその張り巡らされた包囲網を全て突破し、なだらかな頭(こうべ)を彼の地へとまっすぐに向け、死者の悲鳴に塗れた血肉の海をまるで自由を泳ぐかのように何一つの躊躇いもなく優美な姿を閃かせ前進している。
「殲滅か、降伏か」
二つに一つの選択を人類に突き付けるミュウの言葉は、人の影に怯え身を隠し、オロオロと宇宙を彷徨う脆弱な集団から発せられるものでは最早なかった。
しかし彼等を家畜以下の生き物として虐げ、嬲り殺す事と当然と慣れきった者達に長年の蛮行を悔い改める心などすぐに生まれる筈もなく、それがあからさまな蔑みを含んだ傲慢な返答や、それすらもない攻撃へとつながる事の方が多かった。
結果たちまちに想像も及ばぬ圧倒的な力を振るわれ、その時になって漸く悔悟するに至ったところで既に遅く、眼前に佇む白い艦に向け火に焼ける指先を伸ばし救いの言葉を今更に繰り返しながら、多くの人間が激しい炎の中で恐怖と共に死んでいった。
己の愚かは 己の命で贖うがいい
年若いミュウの指導者は、表情のない翠緑の瞳でその様を見下ろす。
「僕はどんな手段を用いても地球へ行くよ。そこに貴方が待っていてくれるだろうから」
触れている葉と同じ色の瞳がうっすらと笑みをつくる。
耳を覆う彼の形見を長い指先が愛おしげになぞる。
漆黒の闇の中、青く清らかな一滴の如くに浮かぶ惑星(ほし)を想う。
―― 貴方に会いに行くよ ブルー ――
■□ □■□ □■
「やぁキャプテン、今日は終わりかい?」
ふいに薄闇の中に向けてジョミーは声を掛けた。
視線の先にはハーレイがそっと立っている。
「ええ。あなたはここで何を……」
「花の季節にブルーと見に来たと思い出してね…。
ああ、彼を桜に例えるなどはしないよ。彼はこの花のように静かに……逝ったりしなかったから」
そうしてまた桜の木を見上げるジョミーの大人びた表情に、ハーレイの眉間が皺を刻む。
ジョミーの言葉の僅かな間に彼の傷の深さが見えた気がした。
よくブルーはジョミーを散歩に誘っていたとハーレイも思い出す。
ゆっくりと二人で公園まで歩いて、この木の下で少し休む。ベンチに座るブルーの脇に立ち、身振り手振りも大きくあれこれと話すジョミーと、相槌を打ち、笑い、そして何事かを話して聞かせるブルー。そんな光景をよくブリッジから眺めた。
クルクルと変化する表情豊かな「ジョミー」に今ではもう会う事はない。
楽しげに話し込んでいた二人のソルジャーを思い出す度に、目の前ですらりと背筋を伸ばして立つ彼の静かな姿に、苦い痛みを覚えてしまうのは年のせいの気弱さだろうかと思う。
「君の愛した人は、静かな最期だった…?」
思いも寄らない質問だった。
その問いに正直戸惑いながらも、ハーレイは大きく息を吸い、長く吐き出しながら答える。
「そう…ですね。この艦で看取りました。彼との出会いは鮮烈で……我々の一歩を作り出してくれた人でした。身の内に何もかもを飲み込んで…そうして逝ってしまいましたよ」
「そう…。その人は幸せだったろうか」
「さぁ、どうなのでしょう。けれど私は幸せでしたよ。
共に過ごした時間はこの長い生の中でほんの数瞬に過ぎないでしょうが、未だに彼の姿は鮮明に思い出せるのですよ。
……桜のイメージではありませんね。もっと鮮やかで艶やかで…。
私のような無粋者には例えるに相応しい花も思いつきませんけれど」
「君の愛した人は……」
「それを?」
聞かずとももう知っているのだろうと言葉の外で問い返したハーレイに、ジョミーは小さく肩を竦めて笑った。
「ああ、ごめん。赤い巻き毛の人だね…」
「ええ。でもトォニィではありませんよ?」
ハーレイの真顔の否定に一瞬ジョミーは呆気に取られた顔をして、そしてすぐに吹き出した。
「あっははっ、勿論だよキャプテン。トォニィが聞いたら髪を逆立てて怒るよきっと」
久しぶりのジョミーの笑い声だった。
その様子にハーレイは目を細めた。こうして話をするのも随分と久しぶりだと思った。いや初めてかも知れないと思い直す。
今の状況には全く無関係とも言える、昔々の、しかも想い人について彼に語って聞かせるなど想像すらした事がなかった。
「さて僕は休むよ。キャプテン付き合わせてしまって済まなかった。
いろいろ聞かせてくれて有難う…。いや、ご馳走様と言った方が良いだろうか」
ふと悪戯な表情を浮かべハーレイの肩を叩くと、「おやすみ」と言って青の間へと向かう。
「年寄りを揶揄うものではありませんよ。おやすみなさい。ジョミー」
名で呼ばれてジョミーの歩く背が止まった。
振り返りハーレイを見るジョミーの口元が何かを言いかけ、けれどそれは僅かな笑みと再びの「おやすみ」という言葉に置き換えられた。
赤いマントを揺らす背中が公園から消えて、ハーレイが一人残る。
何を言いたかったのだろう。
「ジョミーはもういないのだ」と言いたかったのだろうか。
けれど今ここにいたのはソルジャー・シンではなく「ジョミー」だった。
彼のしていたのを真似て、ハーレイも桜の枝に手を伸ばし枝先の葉の一枚に触れる。
「君はジョミーをとてもとても愛していたから、一人では寂しくて彼を連れて行ってしまったのかと思っていたよ?」
「ブルー。君の魂は一体どこに飛んでいってしまったんだろう。それともここに帰ってきているのかな」
答えなどある筈もない。
ふっと息をつくとハーレイも公園を後にする。
誰もいなくなった薄闇の中、桜の一枝が一度だけサワリ…と揺れた。
<終>
ほんとはね、タイトル変えようかな…とも思ったんだけど、なんか良いタイトルが浮かばなくて、そのままにしちゃったす。タイトルって難しいよね。オゥオゥ。
凛々として静謐なショートストーリー感謝です。
ハッ、赤い髪のひとて、もしや以前描かれてた方!?
かもねかもねソウカモネ!?
いや冗談抜きで素敵なお話でした〜又書いてね。
赤い髪のおひとって、あの方!
1から改めて読ませて頂きましたv
じわりと深い愛情が感じられる素敵なお話、美味でした♪
でもって、おかわり~! にひひv
リンリン様
うふうふっ、かもねかもねは100%ソウカモネ~であります。
まったく脳味噌七色状態の後半部で、なんつかね…ってアンバイなんですけど、読んで下さって感謝です。又書いてねなんて嬉しいお言葉っ。うん書くよ~♪エヘヘ。(宿題も頑張るよん♪)
池野あひる様
そうザンス。赤い髪の彼は彼ざんすよ~。
1から読み直して下さるなんて、アリガトです。ジョミブル書くとね、ただでも根っからの乙女熱が更に上昇してグルグルフォーエヴァーに沸点振り切りますですだよ。←意味判らん。
おかわり~もアリガトです。ぶももん♪

