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Q太郎でございます。


え~と、最近夢づいた話が多いのですが。
今回も夢~なお話です。とはいえ、この度のものは普通にSSです。アタシの見た夢を変換したわけではないです。
内容は……。なんつかね。相変わらずイタタ…なのですが。
ちょっと頭イッちゃってる風味満載です。
「うわっ…コイツ、やばいんじゃない」な自分でも自覚があります。
や~、どうするよ…みたいな、ねぇ。←どうにも意味不明すね。

尻切れ~なアンバイで、読後感はあまりヨロシクないと思われますが、もし宜しければ右下からお願い致します。


んとですね、今リンドウノ様んちの素敵に鬼畜なオリキャラ様をお借りして、ちょこっと書かせて頂いてるのですが、どうにもアタシの書く鬼畜様は名前だけ同じな別人風味です。
何故だろう……。
リンドウノ様の描かれるシュウちゃんも、アルト様の書かれるシュウちゃんも、激しく鬼畜でチンピラで王子様でこりゃもう堪らんに格好良いのにぃぃ~~。
あ、そうだわ。これはもうアタシの中の純粋で(あぁ?)乙女全開のハートが彼を鬼畜じゃなくしてるのかしら…。きっとそうだわ、そうに違いないわ…!!
と、大顰蹙、殴られるのを覚悟でほざいてみました。
寝言は寝てる時に言え、独り言は一人の時に言えってぇヤツですね。
調子づきました。スミマセンです。はい。









  「例えばこんな夢の話」




<赤い夢>


僕はその一瞬をひたすらに待っている。

全身を貫く激しい痛みに身体を前に折り震えて緊張しながら、けれど僕は酷く興奮していた。
今にも吹き出しそうだ。
可笑しくて可笑しくて、笑い出したが最後、止まらなくなってしまいそうだ。
心臓の鼓動がダンダンと脳味噌を叩きのめすように脈打っている。
前を見据えた視界の、ボヤリと霞んだ中央に黒い点が生まれる。
黒点は勢い大きくなり、いきなりの衝撃の後に世界は赤一色で塗り潰される。
とうとう堪え切れなくなった僕は、まるで気狂いのように笑う。

どうだ。
ザマアミロ。
僕は、僕を、
こんなにも見事に、綺麗に、死に至らしめてやった。
肉も、髪の毛も、血の一滴すらも、残さずに死んでやった。
気持ち良い。
なんて気持ちが良いのだろう。

僕は、赤い世界の中で、自分の焼けた臭いに心の底から安らいで笑い続ける。





<蒼く凍る夢>


冷たく痺れる指先は、いつも何かを探し掴もうとしては、虚しく空を彷徨っていた。

とてもとても大切なもの。
失くしてはボクは生きていけない。
それだけは確かに分かっていた筈なのに。
掴まえて。
この手に握り締めて。
この胸に抱いて。

けれどほんの一瞬の迷いが、躊躇いが、彼という存在を永遠にこの手から失わせてしまった。

ああ、なんていう失敗だ。
もう取り返しのつかない大失態だ。

その瞬間から、ボクの世界は硬く冷たく凍り付いてしまったようだ。
何の音も聞こえず、どんな言葉も届かず、
世界を鮮やかに見せてくれていた種々の彩りは、ただ一色を残して消え去ってしまった。
蒼。
全てが蒼く凍れる世界。
その中に呆然と身を置くボクは、いつか憎しみの息を吐きながら思うのだ。

なんとういう計算高い死だ。
こうして己の死に様を、焼き鏝を押すかの如くに印象付けて、そうしてボクを縛り付けるのだ。
何が祈りだ。
何が願いだ。
何が約束だ。
全てが予定通りの思惑通りに運んだと、きっと満足気に笑いながら、彼は軽やかに死んだのだろう。
いっそ何もかもが冷たく粉々に砕かれて、そうして失われてしまえばよいのに。

怒りに満ちた指先を伸ばせば、その先に佇みボクを見つめ返す静けさは、
ただ虚しく、けれどどこまでも蒼く美しかった。





<白く光る水の夢>


貴方を掴まえた。

水に沈む貴方を掴まえた。
それは貴方の記憶の中にある他の誰でもない。
その伸ばされた手を掴まえたのは、このぼくだ。

そしてぼくは貴方を置き去りにしよう。

孤独である事にも気付けぬ、哀れな貴方を独りに置いて、
ぼくは貴方の記憶の水底でゆったりと漂い、密やかに微笑みながら、
癒える事のない傷となって、ひっそりと生き続けようと思うのだ。





<別れを恐れる夢>


物心ついた頃から、サヨナラが嫌いだった。
例えばそれが、長く会う事が出来ないサヨナラであっても、
「明日また」の意味のサヨナラであっても、とにかく別れというものが大嫌いだった。
酷く名残惜しんでは、あまりのしつこさに相手を辟易とさせる。
逆にまるで愛想もなく背を向けては、相手を傷つけ、あるいは憤慨させる。
これの繰り返しだった。
嫌いというよりも、むしろ恐怖に近いと最近では思うようになった。
恐ろしいのだ。
置いてゆかれる事。
一人取り残される事。
忘れられてしまう事。
忘れてしまうかも知れない事。
そして。
この別れが永遠になってしまうかも知れない事。
どこかで互いに生きていればまだいい。
サヨナラをした一瞬後に、どちらかが死んでしまったとしたら。
伝え忘れた事はなかったか。
相手にとって自分は良い思い出となっただろうか。
何か一つでも記憶に残して貰える自分であっただろうか。
まるで弱々く情けない思考であるとの自覚は勿論あるが、しかしどうにもならないのだ。
暗闇に取り残されるような、最期までたった一人だと思い知らされるような。
これは紛れもない恐怖だ。


早く。
早く迎えに来い。
何をしている。
いつまでも側にいると言ったその口は出鱈目か。



長い沈黙は優しく穏やかで、そして何と冷ややかに自分を絶望させるのだろう。

溺れる水底から引き上げてくれた手の、指の一本一本の感触まで覚えているというのに、
自分を呼んで孤独ではないと教えてくれるその声を、いつまでも聞く事はなかったのだ。





友好条約を結ぶ惑星間では年に一度、サマースクールと称して各惑星の養育都市から希望者を募り合同キャンプを行っていた。
別に参加したかった訳ではない。と言うよりも、出来ればとても積極的に参加したくない方だった。
けれど両親も先生も、こちらが可哀想と思う程に熱心に勧めるものだから、どうにも断りづらく仕方なしの参加だった。
学校での成績に問題があるのではない。
素行だって特別問題になるような事もない。
ただ昔から自分の中の奥底に何とは言えない黒々とした記憶がどんよりと巣食っていて、それが原因なのかどうなのかクラスメートと無邪気に打ち解けることが出来ない距離感となり、結果対人関係が希薄との評価されてしまう。
そして両親を嘆かせている。
溜息をついて参加証と一緒に送られてきたサマースクールの日程表を見る。
一室四名の部屋割りで既にメンバーは決まっているらしい。これから二週間の辛抱だと思う。
思いながらも、やはり溜息が吐いて出る。

とりあえず上っ面だけでも笑って過ごして何事もなく終わらせよう。
どうか同室になる人達が面倒くさい人間じゃありませんように。

一時間後に予定されている大講義室でのガイダンスの前に、自分の部屋を確認しに行った。
階段を三階まで上り、左のフロアへ向かう。後ろに一つ足音を聞きながら、同じ部屋の人だろうかと思いつつ振り返ることはしなかった。

フロアの奥、一番の端が割り当てられた部屋だった。
と、部屋の向こう側の階段からも上ってくる足音を聞いた。二人分だ。
そうしてこの部屋の前で、ほぼ同時に四人のメンバーが揃った。
互いの顔を見合わせて、そして四人とも息を飲んだ。

ああ……。
なんという偶然だろう。
なんという幸運だろう。
誰になんと感謝をすればいいのだろう。

僕は…。
ボクは…。
ぼくは…。
自分は……。

誰にも打ち明けられずに、夜の暗さの中で夢に怯え、震えながら朝の訪れを待つ事はないだろう。
一人きりで暗闇に置き去りにされる恐怖を、サヨナラの言葉の中に怯えることも、おそらくもうないだろう。


「入ろう。そしてゆっくりと話をしよう。時間はたくさんあるんだから」



カードキーを差し込んでロックを外す。開いた扉の向こうの柔らかな陽だまりの匂いが、四人を優しく迎えていた。



  <終>



夢の色のイメージで色分けしてみたけど…
なんかかえって見難い気がしないでもないのね……


 

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コメント
 
無題
運命共同体ラッコです。
素敵なショートショート拝見しました。で、繰り返し繰り返し読んじゃった。これはそういう読み方するお話だなって思ったよ。痛くて怖くて綺麗です。

 で、こんな文章で書かれるシュウちんってどんなのかしら〜と激しく気になり...ああっつ思念波さえあれば覗きに行けるのに〜。鬼畜ぢゃない?よいではないですか。乙女全開でGo!ですよ。
【2009/07/03 00:13】 NAME [リンドウノ] WEBLINK [] EDIT []
 
無題
面白い…うん、すごっく好きです。
【2009/07/03 00:17】 NAME [Tiara] WEBLINK [] EDIT []
 
コメントありがと♪です。
えとね、こないだコメントレスの機能(っていうの?)を今頃になって初めて使ってお返事させて頂いたらね、なんか妙なアンバイでしたので、前とおんなじに戻しますです。

<リンドウノ様>
コメントありがとうございます!!
こんな、もう「え~とぉぉ…」なアンバイな代物を繰り返し読んじゃったなんて、ラッコ様ったら相変わらずにチャレンジャーなんだからっ!胸焼けしませんでしたか?でもでもとっても嬉しいです。エヘヘ。
誰が見た夢かは一目なのですが、例えば赤い夢をキースが見ていたり、蒼い夢をマツカちゃんが見ていたりしても面白いかな…なんて思ったりもしています。
捏造シュウちゃん話、めさめさ遅くてゴメンナサイです。でもでも書いてるとすっごく楽しい!
Goサインに背中押されてビリビリ書くのだ!
彼のパンツはボクサーパンツなのね。そして黒ね。了解です。


<Tiara様>
コメントありがとうございます!!
ホント意味ワカンナイよ!なブツで申し訳ないです。書いたアタシも何が言いたかったのかと聞かれたら何とも答えられない自信だけはありの一品ですだよ(呆笑)。
最後のあたり、いかにも仕方なく付け足した風味満載なんだけど、でもどうにかしてでも幸せ感も出したかったのね。
面白いと、すごく好きと仰って頂けるなんてっ!ああん嬉し過ぎます~~!!
テヘ~♪
【2009/07/03 19:55】 NAME [Q] WEBLINK [] EDIT []
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