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↓の続きであります。
やー、自分で書いといてなんですがね、こんなのザックスのアニ~キじゃないよ!と力一杯言いたくなります。
陽気でさ、ちょっとお節介なぐらい世話好きなソルジャーってカンジでさ。
ん~、地球キャラに当て嵌めれば誰だろう……。
サムっ!そう、サム!!
アニテラでのミュウのソルジャーになったジョミーとの再会のシーン、驚きながら、ぐわしぃっっと抱き合う二人が好きだったなぁ……。
ああ、サムはサムのまんまだって、嬉しくなったのを思い出すのね。
だからなおさら、その後が辛いし悲しい。
話変わって、ずっと前に途中まで観てそれっきりになってたアニメのDVDを、今また借りて観たりしてます。
そのアニメのOPの中で「その背中は羽をもぎとられた痕がある……」ってぇ詞があって、うほほっ、ちと萌えるのね。
この詞が似合うのは誰?って考えたら、何故だかキースがポコっと浮かんできた。
キース……。
生まれながらにして自由の翼をもぎ取られ、地に落とされた意思なき魂。SD体制の申し子。
ってカンジかなぁ。
ブルでもないし、ジョミ太でもないし。
ハレって考えたりもしたけどね。
やっぱりどうしてかキースなカンジなのね。
え~と、昨日の続きは右下からどうぞであります。
ホント不親切で、説明不足で「こりゃなんだ?」なアンバイなのですが。
宜しければ読んでやって下さいませ。
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感謝感謝です!!
「夜明けの果てで見る夢を」 (2)
人形のようなクラウドを抱えて、ザックスはニブルヘイムの神羅屋敷から逃げ出した。
神羅兵達の追跡を後ろに、冷たく凍った土を蹴る。
昼も夜もなく逃げ続け追っ手を振り切り、途中の町や村に潜り込み、素性を隠してしばらく暮らす。
言葉も満足に出ず、自分の身の世話一つ出来ないクラウドを病気の弟だと笑ってごまかし、食べ物と気休めと分かっていながらクラウドに飲ませる薬の為にザックスは日銭を稼いだ。
安い宿屋の硬い寝台の上で、横にクラウドの体温を感じれば、彼が今日も生きて自分の帰りを待っていてくれた事にホッと安堵の息を吐く。
同時にやりきれない苦い溜息に変わるのをクラウドに悟られないように噛み殺す。
どこまで逃げる?
いつまで逃げ続ける?
クラウドを元に戻すにはどうすればいい…?
償えるなんて、思ってなどいない。
クラウドをこんなにしたのは自分だ。
魔晄炉調査の為に赴く兵士の名簿にザックスはこっそりクラウドの名を加えた。
任地が彼の故郷のニブルヘイムだったから。
さほど面倒な任務ではなかった。
山奥に造られた魔晄炉まで機材を運べばいいだけだった。必要な調査は同行する研究者達が勝手にやるだろう。
あとはのんびり久しぶりの故郷を満喫すればいい…そうして名簿に手を加えた。
予定にない兵士の、しかも新兵の追加の理由を問われれば地元の地理に詳しい者だと言い、それで特に何の問題にもならなかった。
思えばそんな単純でお節介な理由からクラウドを連れて来ただけだった。
正体無く酔い潰れた自分を引き摺って宿舎まで届けてくれた夜をきっかけに親しくなった新米の、今だけに許される純粋な夢を少しでも叶えてやりたくて…。
彼が憧れるソルジャーと作戦行動を共にさせてやりたい。
今にして思えば随分と独り善がりな判断だった。
何と言われてもいい。無口で無愛想で人付き合いの丸きり下手くそなクラウドが、時折みせてくれる笑顔が好きだった。
彼の喜ぶ顔を、ただ見たかった。
それだけだった。
けれど、その結果がこれだ。
閉じた瞼の向こうに炎に焼かれる村を見る。
その中で魔王の如きに艶然と笑む男の影。
たなびく銀の髪。
青く光る双眸。
英雄と称えられたソルジャーの中のソルジャー。
セフィロス……。
いつか自分もと憧れ尊敬していたソルジャーに生まれた村を焼かれ、親を殺され、大切な幼馴染を目の前で傷つけられたクラウドが、どんな思いで剣を握ったのか。
その怒りと悲しみと絶望と…。
ザックスの閉じた瞼が更に苦しく瞑られる。
寄せた眉根に深く刻んだ皺が微かに震えていた。
セフィロスと対峙して奇跡的に命を取り留めたザックスとクラウドを待ち受けていたのは、生体サンプルとしての人体実験の日々だった。
長時間にわたる魔晄の照射で人格崩壊を促し、自我を失わせ、ひたすら命令に従うだけの生物兵器を造り上げる。
けれどその実験に二人は不向き過ぎた。
強靭な肉体と精神力を持つソルジャー・ザックスと、一般兵としても半人前にも足りないクラウド。
当然実験は頓挫した。
サンプルは即刻処分の指示に、しかし研究者達は躊躇った。
折角手に入れた玩具を捨てるのは惜しい。
様子を見て何か別の実験に役立てよう。
どうせ本国では死亡者として扱われているのだから、どう使おうと我々の自由だ。
要はバレさえしなければ良いのだ。
水と食事だけを与えられる日々の中で隙をついてザックスは逃げた。
歩く事も覚束ないクラウドを抱え、背負い、時に車を奪って逃げる。
逃げて逃げて逃げ続けて…。それでも追っ手が掛からなくなる事はなかった。
神羅は研究者達の思惑など見通していたのだ。
どこに隠れ潜んでも彼らは必ず追い掛けて来た。
ここにも長くは居られない。そう遠くなくこの場所も神羅に嗅ぎ付けられるだろう。
いつまで続く。
どこまで続く。
―― 置いていけばいい
どこからか声が聞こえた。
驚きに目を開ければ部屋の隅の闇の中に黒い影が一つ立つ。
「誰だっ!」
警戒するザックスの声に影がユラリと揺れた。
―― 何を躊躇う事がある。足手まといは捨てていけばいい
―― お前一人なら、今頃楽に逃げ切れていたものを
―― このまま朝が来る前に部屋を出て、そうすればお前は自由になれるだろう
「クラウドを置いてゆくなど、そんな真似は俺は決してしない!」
―― 殺した子供の代わりにでもして、そうしてお前は赦されようとするのか
―― 今更善人ぶったところで、お前はもう人には戻れないよ
影が揺れながら歌うように嗤う。
―― 人には戻れないよ
―― 人には戻れないよ
―― もう人には戻れないんだよ
ザックス……
「黙れっ!!」
怒鳴る自分の声で目が覚めた。
いつの間に眠っていたのか、額に浮いた冷たい汗を拭い身体を起こせば、窓から差し込む月明かりに部屋全体が薄明るく、ザックスを嗤った闇色の影などどこにも見当たらなかった。
それでも耳にあの声が残る。
もう人には戻れないよ……
分かってるさと、ザックスは小さく呟いた。
紅蓮の炎を自在に操り、巨大な氷塊を礫のように降らせ、晴天の空から雷を落す。
手にしたソードのたった一薙ぎは、その風圧と鋭さだけで容易く人の肉を切り裂き命を奪う。
己の身の内に育てた大いなる魔晄の力は、人として在るべき領域を確実に侵蝕していく。
例えば、道を横切る蟻の群れを気付かず踏んで歩くのと等しい何気なさで人の命を奪う。
夢だ誇りだと綺麗な言葉で熱く理想を語って聞かせた同じ日に、組織の為だとして、捕らえた男達は必要な情報を得る為の拷問にかけ、女は犯し、用のない子供はまるで花を手折るような簡単さで片手で縊り殺した。
これが人のなせる業というか。
獣ですらもない。
……魔…物……め……
……ずっと……ソルジャーに……なり…た……のに……
怒りの涙を拭いもせずに自分の前に立ちはだかった少年の最期の言葉。
反神羅を掲げる村に生まれながら密かに育てたのだろう彼の憧れに無情の幕を下ろしたその夜、同じ髪の色、瞳の色のクラウドに出会った。
真っ直ぐに見つめるクラウドの後ろで、天をも焦がす炎の中に死んだ少年がずっとザックスを見据え、そして無言で問い続ける。
真実を語らぬままに、お前は「夢を叶えろ」と嘯くのか。
そうしてクラウドを、おぞましい魔物に貶めようとするのか。
お前と同じような。
唇を噛み締め、心の内で「違う」と言う。
クラウドと共にいる時、それがザックスにとっては安らぎの時間だった
自分に残された人としての領域が日に日に狭まっていく恐怖を、クラウドが忘れさせてくれた。
昔、都会に憧れソルジャーに憧れて村を飛び出した自分を思い出す。
遠くを見つめるクラウドの、不器用な言葉で語る夢や憧れに耳を傾ければ、夢と誇りだけで明日も生きられると信じていた頃の自分が、彼と肩を並べて笑っているような気がした。
何だかくすぐったくて懐かしくて。
そして…、まだ大丈夫だと思わせてくれる。
まだ笑っていられると。
だから…とザックスは思った。
いつか、憧れ、思い描いた夢と所詮は組織の手駒でしかない現実との間で、己の存在について苦しまねばならない日が来るのなら、せめてそれまでは笑って夢を見させてやりたいと思った。
ずっとそう思い続けていた。
けれど同時に「違わないじゃないか」ともう一人の自分が嗤う。
早くクラウドがソルジャーになればいいと思ってもいた。
幼い日の憧れを誓いを自らの手で捻り潰してしまえばいい。
その手を心を血で汚して、自分と同じになってしまえばいいと。
そうすれば……と。
そうすれば……と。
あの山間の小さな村で、自分は一体何を殺したのだろうか……。
「…ぁ……。うぅん……」
昏い思考の澱みの中からハッと視線を隣に移せば、クラウドが小さく声を吐きながら身動ぎをしてうっすらと目を開ける。
定まらない視線が探すようにザックスを見上げた。
「ああ、ごめんな、起こしちまったな」
まだ朝には早いからと布団を掛け直してやるザックスの手を、無意識だろうクラウドがそっと握る。
触れる痩せたひ弱い手が温かい。
「なんだよ。どうしたクラウド?」
怖い夢でも見たのかと揶揄う口調で金色の頭を撫でてやれば、どこか安心したようにクラウドはまた目を閉じた。子供扱いはやめろと照れ隠しに怒って見せたクラウドを思い出してザックスは少し笑った。
「……よ…」
「ん?どうした、クラウド?」
再び眠りに落ちていくクラウドの唇のささやかな動きにザックスは耳を寄せる。
「…もう…いいよ……。ザック…ス…」
寝息の中に溶ける言葉にザックスは目を見開いた。
今では言葉の一つを口にするのもたどたどしいクラウドの、けれどそれは驚く程にはっきりとした言葉だった。
「ク…ラ……」
ザックスの咽喉が震える。
「…な…んだよ。…慰めてくれるのか…、クラウド?」
絞り出した言葉と共に、ポタリ…と涙が落ちた。
ポタリポタリと溢れる涙がザックスの頬を伝い落ちて、薄く粗末な上掛けに染みを作る。
「…ごめん……」
嗚咽を噛み締めたザックスの震える唇が詫びる。
赦されなくてもいい。
ただ謝りたかった。
夢と憧れたソルジャーに殺された名も知らぬ少年に。
大きすぎる夢と希望を胸に抱いて村を飛び出した昔の自分に。
その夢を殺してしまった自分自身に。
そして。
絶望の中で心壊れてしまいながら、冷たく暗い闇の中に沈みながら、その中から自分に救いを与えてくれるクラウドに。
「ごめん。……ごめんな……」
月の色が白く変わり、夜が明けてゆく。
今日ここを発とう。
始まりのあの街へ。
戻って、もう一度最初からやり直せばいい。
スラムに潜り込んでしまえば神羅もタークスも簡単には手は出せない。
仕事を探して、クラウドの為に医者を探す。モグリでも腕のいい奴はいる筈だ。
そうして。
新しい明日を見つけよう。
誰の支配も受けない新しい自分を、もう一度生きよう。
クラウドと二人で。
「ミッドガルに帰ろう、クラウド」
クセの強い金色の髪をそっと撫でながら、ザックスは自分自身に言い聞かせるように呟いた。
<続>
次でラストです~~。
3ソルジャー、ほんとにたまんないくらい素敵なんだよ!
アニキと言えば一番に思い浮かぶのがザックスで、FF7本編だけでも妄想が涙で溢れかえります…。
ありがとう、Qちゃん♪
いや、ラストは次回。じっくり待つ。でも早く読みたいよ~とジタバタしつつ待つ!
ザックス!FF7本編ではチラチラチラっとしか出てこないからこその妄想大全開大放出なのね。
親友設定、恋人設定何でもありの素敵で美味しい彼に、メロメロ(死語)よ~~♪
なのに丸っとカッコ良くないザックスでゴメンね。
これは別人だと思って下さい。
ええ、別人なんです。
こんなグダグダがザックスである筈がない!!
自分で書きながら何度叫んだことか…。トホホ。
あ、タイトルちょびっと変えちゃったです。
えへへ~~。
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