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Q太郎でございます。


え~、1週間ぐらい前になるでしょうか。
面白い…つか、妙な夢を見ましたので、地球キャラで変換してみました。
なんかすっかり頭の沸いた話ですが。
ゆゆ、夢ですから。
つかこんな夢見るのも大分頭が沸いてますよね。嗚呼……。
もし宜しければ右下からどうぞです。
台詞とかは作ってますけど、大体こんなカンジの夢だったんだなとイメージして頂ければ…。



★遊びに来て下さって有難うございます。
 女神様方の残して下さる足跡がとても嬉しいです。
 妄想の糧となっておりますっ!
 深謝深謝でありますです!!




 








マムはいつも笑っている。
まるで少女のようだと思う。
初雪が降ったと言っては外に飛び出し、春の花が咲いたと言っては歌い、夏の強い日差しの中に立ち尽くしては庭の向日葵を飽かずに眺め、パパとボクを心配させる。
時に呆れ、時にそんな彼女に振り回されながら、でもマムの笑顔を見ていると何だかボク達まで嬉しくて楽しくなった。


「ジョミー」

ある日、学校から帰ったボクを庭で水撒きをしてたマムが呼んだ。
ボクは少し不機嫌で、彼女の声を聞こえぬ振りで一度無視して二階に上がろうとした。

「ジョミー、いらっしゃい」

二度呼ばれれば無視できなかった。
渋々サンダルをつっかけて庭へ出る。

「ケンカしたのね」

マムは何でもお見通しだ。でも今日じゃない。
3日前につまらない事でケンカした。
気まずくて、謝れなくて、会う事ができない。
素直に頷くのもちょっと悔しくて「そんなんじゃない」と言ってみる。
マムの持つ水撒きホースの先からはポタポタと水が滴っていて、それを追いかけるボクの目はマムを見る事ができない。
クスクスとマムが笑う。

「ねぇジョミー」
「なに?…っっわぁっ!!!」

いきなり冷たい水のシャワーを顔に食らってボクは思わず悲鳴を上げた。マムときたら、ボクに水撒きホースを向けて思い切り水を出してニコニコと笑っている。

「ちょっ……マムっ!止めてよっっ!!」

逃げ回るボクをホースを持ったままマムは追い掛ける。家の中に逃げ込みたいけど、マムはそれを許さない。
その上、突然土砂降りの雨まで降り出して、マムも一緒にびしょ濡れになった。
不思議だ。
空はこんなに明るくて、雲一つない天気だっていうのに。

「ウフフっ。ジョミー、濡れた芝生が気持ちいいのよ」

ホースなんか放り投げて、マムがボクの手を掴まえて引っ張り倒した。
刈ったばかりの芝生の青い匂いと、土の匂いの混じった雨。
どちらも嫌いじゃないけれど、この格好はどうしたものだろう
グショグショのビショビショで、なんだかもう笑うしかない。
マムも大の字に仰向けて、空からの天然のシャワーを目一杯浴びている。
もう可笑しいよボク達。

「ねぇ、ジョミー」
「なに?」

さっきと同じようにマムはボクを呼び、ボクはさっきより少し優しく返事をした。

「恋をするとね、とても大人ぶってみたり、背伸びをしてみたり、相手に少しでも自分を素敵に見せたいと思うでしょう?」

ころりとうつ伏せになったマムはボクにピッタリとくっついた。
雨音の中なのに、マムの囁く声がよく聞こえるのも不思議だった。

「ちょっと相手の反応を見てみたり、それを予測して行動してみたり、ホントは思ってもいない事でも言ってみたり」

またマムは仰向けになって空を見上げる。
大きなたらいの水をぶちまけたような雨を、マムは細い両の腕を広げて受け止める。
ボクは黙ってマムの声を聞く。

「でもね、そんなのは駆け出しの恋よ」
「大人ぶって予測して計算しても、気を引くことは出来てもね、心近づくなんて出来ないわ」

マムがちらりとボクを横目で見る。

「年上の人なのでしょう?」

ドキリとした。
何で知っているのだろう。

マムの黒い瞳がクルリと動いてボクをじっと見つめる。

「こんな風に水遊びをしてみたら?泥遊びだっていいわ」

水遊びって、泥遊びって……マム?

「駆けっこだっていいかも。そんなとっても子供っぽい事だけど、でもきっと彼は好きだわ」

心臓が口から飛び出るかと思った。
年上の人と言い当てられた事。
そして、ボクが今どうしようもなく好きな人が「彼」だという事。
誰にも話していないのに。
ボクは自分がどんな顔をしてるのか、分からない。
でもマムのクスクスの笑いが零れるのを見て、ああ、きっととんでもなくビックリな表情をしているに違いないと思った。

「恋って素敵。蝶々のようにヒラヒラ舞い上がって、まるで鉛のように地面にめり込んで、毎日が上を下への大騒ぎで、でも心は疲れ知らずにその人のことだけを想い続けるの。恋ってとっても素敵だわ」

いつかボクの耳から雨音は消えて、マムの声だけが聞こえていた。



□■ ■□■ □■



「おはよう」

いつもよりもずっと早く目が覚めた。
昨日少しイラつきながら眠ったわりに、スッキリとサッパリした気分でボクは一階に下りた。
何だかとても長い夢をみてた気がする。
でも覚えていない。

「おはよう。早いな」
「うん」

テーブルの上にはボクの分の朝食。パパはもう済ませたようだった。
今日はパパの当番の日だから、彼定番の朝食メニューが並んでいる。
茹でたブロッコリーとエビのサラダ。
チーズ入りのオムレツとソーセージ。
厚切りのトースト。
冷蔵庫から牛乳を出してテーブルにつく。

「行って来る」と出掛けるパパの背中に牛乳を飲みながら手を振って、テレビのチャンネルを変えながらトーストを手にした時、膝の上にドッシリと重く飛び乗ってくる塊。

「うっわ、お前、また朝帰りかぁ?」

猫だ。
2年前マムが亡くなって、どこか会話の少なくなったこの家にフラリとやってきた一匹の猫。
丸々と太っているのに、でも飼い猫でもなさそうで、何だか居付いてしまった新しい家族だった。
雨降りの日に来たから「レイン」と名付けた。

「なんで雨も降ってないのにこんなにずぶ濡れなんだよ。レイン、お前どっかで水遊びしてきたな」

レインが膝の上からボクを見上げる。
その瞳は薄緑に縁取りされたような金色で、とても綺麗なビー玉のようで、ボクはじっとその瞳を覗き込む。
レインの瞳がクルリの動く。


瞬間ボクは、あの晴天の土砂降りの夢を、マムの声を思い出した。
彼女の声を思い出した。

「レイン。お前は何でもお見通しだね」

「そうだね、君の言う通りだね」


ああ……。

お前は、その美しい瞳の中で、ボクに優しい夢を見せてくれたんだね。


 
 <おしまい>




つう、夢を見ましたのす。
「馬鹿みたいに子供っぽい事でも、その方がお互いの距離が近づくなんて事もあるよね」風味で。
ジョミ太の「彼」は、やっぱりブルで。
猫の見せた夢の中で死んでしまった人の声を聞くって夢でした。
猫の目ってホント透き通って綺麗で、そして何でもお見通しみたいでね。
あ、水遊びや泥遊びや駆けっこってのは猫的発想ってコトでひとつよろしくお願いします。

なんかシリ切れでゴメンナサイ。
勘弁してやって下さいませです。




 

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コメント
 
無題
描かれているマムは、私の中では幼少のブルーと言うか、
ブルーが好きになる女の子はこんな感じの子がいいなと言うか、
そんな風に思ってたことがあります(笑)。
【2009/06/15 01:23】 NAME [Tiara] WEBLINK [] EDIT []
 
無題
夢ネタなのに地球変換で全く違和感ないわ!
ぴったりハマっていて、吃驚しました。
綺麗で透明な世界だなあ。
【2009/06/16 00:55】 NAME [リンドウノ] WEBLINK [] EDIT []
 
感謝です~♪
Tiara様
コメント有難うゴザイマス♪
なんかスッカリ「ええ~?」なカンジのマムですが、ちょっとでも「有り」なトコロがあったでしょうか?そうだったらウレシイです。えへへ♪
ちっちゃいブルーが芝生の上で転げ回って遊んでる……ブホっ鼻血!犯罪だわ~(笑)。

リンドウノ様
コメント有難うゴザイマス♪
自分の見た夢を地球変換するなんて…な、イタタなブツに勿体無いお言葉、嬉しくって涙が出るです。
マムの乙女全開なセリフに大赤面です。ヒ~。
リンドウノ様の腹筋が心配な今日この頃です(笑)。
【2009/06/16 02:22】 NAME [Q] WEBLINK [] EDIT []
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